旅人2
 
「あつ〜」
短髪のいかにも剣士らしき青年はこの暑さに耐えかねながらも
わざわざ炎天下の真下で人を待っていた。
黒服の神父……いたら目立つはずなのだが、なかなか見つからない。
そいつは、ラジアムというのだが俺に水筒を預けどっかにいってしまった。
もちろん水筒の中身は今は空。
体から流れた汗はもうどこかに消えてしまっている。
こんなことならあいつの忠告を聞いておくんだった。
意地を張って涼しい半袖の服を着てきたのだが水分がかなり奪われる、
砂が身体にへばりつくなどと嫌なことばかりだ。
「砂漠を渡るからローブがいるね。どれにする」
今思うとあいつは、どれほどここが恐ろしいか知っていたらしい。
「はぁ」
思わず深いため息が出てしまった。
くすくす
ぱっと見ると隣の奴が笑ってた。
俺は顔を赤くしてコホンっとせきをする。
そうすると奴はまた笑った。
 
「そこでお茶でもしませんか?」
「へっ?」
ファンタは目を真ん丸くした。
「人を待ってるみたいですけど、貴方の方が参ってしまいますよ」
ファンタはこの町ですごく目立っていた。
この熱いなか水分を保つこともせずボーっと立っていたのだ。
気になって仕方なかった花紅露は誘い出す。
「じゃラジアムには悪いけど行くか。」
男は頭をかき花紅露と店に入った。
こんなところにある店が涼しいわけでわなくが影なのであそこよりましな程度であるが
ここにいるものにはきっと天国だろう。
「花紅露と申します。」
「俺はファンタだ。さっきいったと思うけどラジアムってやつを探してる。
黒服の神父なんだが見てないか?」
花紅露は記憶を探るが思い当たらず首を振る。
「そうか」
頭をがっくりと下に落としつぶやいた。
自分があったことのある人は限られていて最初から当てにしてなかったが
役に立てずなんだか申し訳ない気がする。
それになんだか境遇が似ている気がして同情してしまうといったところか。
「私も人を探しているのです。闇夜というのですが・・・・・・」
本当のことを言おうか……。
まだこの人とは深い仲ではなくそこで口を切ってしまった。
「容姿は?」
ファンタは身を乗り出してたずねる。
そこで少し困ってしまる。
だってあの人普段は黒髪に何も映っていないかのような銀の瞳だが
変えようと思ったら変幻自在の存在だ。
ましてや、あの暗家に狙われてるのに何もしてないのはおかしい。
「それが、あの人変装でもしているんでしょうか掴まらないんですよ」
空笑いし嘆息をつく。
その場に重々しい空気が流れた。
「えぐいなそれ」
ファンタから突然出た素直すぎる言葉に花紅露は噴出しそうになった。
なんでこんなに素直なんだろう。
「私には分かるんですけどね」
花紅露は軽く微笑むと注文したあったお茶をゆっくりと口に持っていった。



  
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表現の仕方学びたい。あと頭がもっとやわらかくなれ〜。
どうせ私は頭の固い頑固者だよ。
 

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