森にそびえ立つ魔術師の塔

「この一番上にいるよ」
後ろの一同は塔の上を見ようと見上げる。
木々を突き抜けるようにたってある古びた塔は
この島の象徴のようにそびえ立っていた。
グィ
急に袖が引っ張られた。
何を……テッドはルックを睨みつけた。
「君は知ってる灰色の」
ルックの声がテッドの耳をくすぐる。
触れ合った紋章同士が熱く鼓動を刻む。
「世界だろう」
囁く声は睦言のように甘い。
ほんの一瞬だったかもしれない短い触れ合いが
これ以上とないくらいに身体を熱くさせていた。
「また会いたい」
ルックは堪え切れないと言うように呟いた。
やっと見つけたレックナート様以外の真の紋章の所有者。
彼は何を希望に生きているのか。
あのことをどう思っているのか。
「これからだよ」
テッドはゆっくりとルックの身体を外した。
「ねぇ運命は変えられないの?」
ルックは幼さを露にすることも躊躇わず、縋るような視線を向ける。
「変えて見せるさ」
 
ふと聞こえた声にファオが不思議そうにテッドを見つめた。
「ファオ、この塔大きいよな」
そこにはいつものテッドの姿。
「あぁ」
ファオはもう一度塔を見上げる。
ただ大きいと圧倒されることしかできない。

「いつまで、見上げてるつもりなの?」
ぴょんとルックがファオの横に飛び込んできた。
「わぁっ」
突然のことで大きな声を上げてしまった。
「坊ちゃん。」
いち早く反応したグレミオは坊ちゃんを庇うべくルックを睨みつけた。
「グレミオ、彼は何もしてないんだ。俺が驚いただけだし」
グレミオは坊ちゃんを思うあまり度々他人に対して攻撃的になるのだ。
注意したことはあるのだが聞いてくれたためしがない。
幼い頃からついてくれてるから半ば諦めているところもあるのだが。
「やめてよね。過保護なパパさん」
ルックはファオに興味をなくしたように塔の中にすっと入っていった。
テッドたちも慌てて追いかける。
後ろのことはお構いなしなルック。
少しは気遣って欲しい。
 
中に入ると少し階段を上ってまっているルックを見つけた。
「この階段を上るんだよ。がんばってね」
ルックは意地悪そうに微笑むと唐突に消えた。
果たして階段はどこまで続くんだろうか?
外から見た塔どうりだとすると……考えるのはよそう。
「本気で上れって言ってるのか。あんな戦闘したばっかりなのに」
テッドはしっかり悪態をつきながらも上っていた。
 
 

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ゆっくり、ゲームを思い出そうとするとよりによって2の方が出てくる。
今は1が思い出したいの!

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