くまさん。中編

「ぼうず名前なんていうんだ」
熊がしゃべったのだ。だから思わずルックは聞いていた。
「熊さんなんでしゃべれるの?」
とその言葉に周りにいた人々は安堵した。
何だいつもの毒舌かと。
そして絡まれたビクトールをかわいそうだと思いながら見る。
しかし本人たちはいたってまじめだ。
ルックは何で熊さんがしゃべれるのか興味を持っていたし。
ビクトールはルックを親とはぐれた子供と思って心配していたのだから。
先に口を開いたのはビクトールだった。
「俺は熊じゃないビクトールって名前だ。呼んでみな」
ルックは素直にいうことを聞いた。
「ビクトール?」
「あぁそうだ」
ビクトールはちゃんと名前を言えた褒美とばかりにルックの頭を撫で回す。
ルックはくすぐったそうにした。
「ビクトールは何でしゃべれるの?」
それは純粋な疑問だった。
ルックはビクトールという名前は認識したが人として認識していなかった。
「何でって人間だからだ」
そういわれたときルックは二重にショックだった。
目の前にいるのが熊さんじゃなくて人だったのと。
自分は人じゃないのにしゃべっているから。

「どうかしたのか」
不思議そうに覗き込んでくるビクトールに気づかれたくなくて
ルック始めの理由を口にしていた。
「くまさんだと思ったから」
「熊みたいに毛だらけじゃないぞ」
ビクトールが笑ってそういうと。
「だって熊さんみたいだもん。あったかいし。何より目が似てるもん」
とルックは言い返した。
「で坊主の名前は?」
「ルックだよ」
「そうかルックっていうんだな。何でこんなところにいるんだ危ないだろう?」
ビクトールが心配そうに言うとルックは淡々といった。
「だってファオに呼ばれたから」
ファオというのはビクトールが無理やり連れてきた縁で
死んだオデッサのかわりに軍主になった少年だ。
ルックとファオの関係をビクトールが考えているときだった。
「ルック、ビクトール悪い遅くなったな」
と明るいファオの声が聞こえてきた。
「なんだお互い知ってたのか。
なら話は早いレベル上げに行くぞ」
さっさと行こうとしたファオを止めたのはビクトールだった。
「今日始めてあったけど。こんな子供まで戦争に参加させるのか?」
 

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思ったより長かった。
由兎のページを変える目安はマウスの真ん中についてる。付いてないのもある。
回せるのが二回くらい。それ以上だとなんか気持ち悪い。

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