終わりの音、始まりの道
闇夜との会話が終わってから家に帰り、
今日あったことを兄に話そうと兄の部屋の前に立った。
「お兄様」
と呼びかけてノックもなしで入った。
これがもし磨鈴以外の兄弟だったら黒はさっさと出て行けと言うだろうが
黒ブラックは磨鈴を可愛がっている。
その証拠に磨鈴が肩を抱いても怒らない。
「どうした。やけに機嫌がいいじゃないか?」
どうやら自分でも気づかないうちに頬が、緩んでいたらしい。
「分かります。闇夜様に、会ってきたんです。ほら、この間、攻めたって、言ったでしょう」
もう、頬のゆるみを気にすることなく磨鈴は、しゃべる。
「お前が、様付けするなんて珍しいじゃないか?」
昔から磨鈴は、自分で相手を判断し、本当に尊敬する値なら、誰でも様をつけていた。
「うん。このリボンくれたの」
とそれを手のひらに出す。
「よかったな。もしや、今夜xがいないのは、そのせいか」
シスコンな黒は、どうせお礼にでもしたのだろうと思いながら、言う。
磨鈴は、尊敬する人に、とても甘い。
「ついでに今日、攻めるの。私の兵で」
とニッコリとして言った。
「楽しみだな」
ついでに、磨鈴は、尊敬している人を側に置きたくなる。たちだった。
「うん」
磨鈴は上機嫌で部屋を出た。
「ぎやっーーーーあぁ」
お世辞にも綺麗とは言えない。気色の悪い声が、あがる。
レオは驚いて闇夜を見るが、
闇夜は何も気に止めずすたすたと歩いていた。
「闇夜、お前」
レオは、考えたくない余り、その先が、言えなかった。
「どうしたの」
とさっき悲鳴があがったのも気づかない様子で、言った。
「何も。ただ悲鳴が聞こえたような・・・」
と一応、確認してみる。回答はこたえなくても分かる気がする。
「お兄様。ぼけないでください。聞こえたようなじゃなくて、聞こえたんですよ。
あの醜い声は、確か、私の顔を殴った方達と思うんですけど、・・・気のせいですよね」
闇夜の丁寧な言葉の裏に、かなりの憎悪が入っていた。
レオは、闇夜の憎悪の深さを知ると。
何をしたか知らないが仕返しをし、悪口を言ってもまだ
数十クリナイラのお釣りが返ってきそうである。
実際、殺されそうになったし美人な顔に拳を入れたりしたし、行生達を気にしないことにした。
「う〜ん僕も、そう、思うよ」
「神よ」
何処かで、声が、してきた。
「兄さん。行くよ」
闇夜の顔が唐突にこわばり、別れを告げた。
「早く、お前のレベルに追いつくよ」
兄は何も言わずただ見送る。
外にはたくさんの悪魔の姿が見えた。
また戦争かもしれない。
まだ自分神のレベルに到達できていないため。闇夜を出ていかせることに、なったのだ。
闇夜は、人の間をくぐって悪魔の前に立った。そして、
「俺が神だが」
何だ?という風に尋ねた。悪魔は、闇夜の髪を掻き上げ。
神の目を見て、(聖家だけに三つある神の目を見せた。)
「確かに、神の目が、ある」
と言った。
「俺が行けば。ここは、もう、手を付けないんだろ」
と一応、闇夜は、確認してみる。
「ええ。素直ですね」
「俺は、昨日、神と決まったからな」
と諦めたように言った。
神がいなかったら被害が広がる、ただそのためにレオと二人で決めた神だから。
闇夜を用意していた馬車に乗り込ませる。
「神様〜」
嘆く叫ぶ人々。それに即答する者
「何だ」
「えっ。さっき乗ったのでは」
と動揺する人々。
「あれは、ただの木だ」
あいつらは、騙されたんだという風に説得して、落ち着いたところで話を切り替えた。
「ところで、俺が、誰だか分かるか?」
と聞いてみた。
「第三王子闇夜」
予想どおりの声が帰ってきて、私は、
「残念。俺は、第三王女闇夜。皆さん。私をしたってくれましたよね。
しかし、反対に、俺を嫌ってましたよね。なぜですか。教えてください」
みなは口を噤む。
第三王女は正当な三女。
そして第三王子は生まれたときの不具合であとに生まれた異質な王子。
「・・・何で、・・・教えてくれないんですか?今まで、お世話になりました。
私は、旅にでます。心配しないでください。
この代の神は、頂点に二人います。これ以上は、書に反すので、喋りませんが」
闇夜は絶望を抱え、淡々と喋り王宮を後にした。
とりあえず敵は私とここを狙うから勢力は分裂させることができる。
あとはレオしだいだ。
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闇夜は花紅露を忘れるという特技があるようです。
花紅露はいつの間にか自分の側にいるという存在みたいですし。
とりあえず第一章終了。