心の地獄 

あぁどうして・・・こんなに空は高いのに。
こんなに澄んでいるのに。
私は・・・・・・なんでこんなにも醜いんだろう。
私に会った人々は皆私のことを綺麗だというけれども。
私は綺麗だとは思えない。
隣の国の姫の方がよっぽど綺麗だ。
あのくりくりしたしてキラキラと輝いてる瞳は綺麗だと思える。
私の鋭い目とは大違いだ。
私の侍女なんか健康そうな肌を持っていて青白い私とは比べ物にならない。
なんでなんで私だけ。
あぁ神様なんで私にあの方たちのような美しさをくれないのですか。

がさっ
近くの草が音を立てた。
「誰ですか?」
こんなところに到底人が来れるとは思えない。
刺客か。
「どこまでも強欲で、果てを知らぬお方、私には名など無粋なものは持ちませぬ。
もし持っていたとしても、いまのあなたに関係ありますまい」
だが、現れたのは白い布を体中に巻きつけた男だ。
見た感じはかなり若く細身である。
だが決して背は低いわけではない。
刺客と思ったけれどそうではないようだ。なぜか安心できる。不思議な人だ。
「では名を持たぬ方、私がそうだとおっしゃる理由を述べて頂けませんか」
私は遠くから彼を見つめた。
「答えて解るものならばお答えしましょうに。
貴女様が望むお答えは出せません。
ただ貴女様に告げることができるのは貴女は貴女です。
それ以上の何者にもなれません」
「でも私はこんな顔嫌ですわ」
私がそういうと男は笑いながらいう。
「ならば私のように顔を隠してしまいなさい。
そうすれば気にすることはない」
女はむくれて答える。
「肌に悪いですわ」
「そうですね。悪いですね
貴女は意外に理性をお持ちだ。ならばお分かりになるだろう。
ないものをねだるのは無理です。
今もっているものをよりよくしなさい」
「私は愚かになりたい。
そうすればこんなことに速くけりがつくのに」
女はできないと知っていて望む。
しかし結果を知っているだけに動けないのだ。
だから愚痴をこぼす。
「私に満足できる美しさをください」
女は何時までもそう願っていた。

人間は美しい。
思い悩み、時に罪を犯す。
そう思えばあっさりと決定をし善行に走る。
笑い、怒り、泣き、哀愁に浸る。
傲慢にもなるが優しくもなる。
私には彼らの全てが美しく見える。
だから私は彼らをやさしく見守ろう。

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暗い話が書きたかったけどなんか違う。

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