Lure criminal investigation. 今、イーストシティでは、10〜15歳ぐらいの女の子ばかりを狙った誘拐が多発している。 しかも、全て手口が同じ。 東方指令部の面々が解決へとがんばっているのだが、なにせ、誘拐犯も証拠を残す程ばかではない。 全くと言っていい程手がかりをつかめていない。 そこで、囮捜査を決行することに決めたのだが年令的に軍部の女性では無理がある。 一般市民を巻き込むなんてもってのほか。 そこで、呼ばれたのが『鋼の錬金術師』のエドワードエルリックだった。 「っというわけで、鋼の承諾してくれるね?」 「嫌だ………って言っても上の命令だと強制されんだろ?」 大佐…もとい、『焔の錬金術師』のロイ・マスタングから一通りの説明を受けたエドワードは嫌々ながらも承諾した。 「……なぁ、大佐…狙われてるのは女の子ばかりなんだよな?」 「あぁ、そうだが。」 なんでもないようにロイは椅子に座ってにこやかに答える。 「オレ…正真正銘の男だぞ?」 「あぁ、君は正真正銘の男だが、女装をすれば問題ないであろう。」 「も、問題大ありだろっ!!!」 ガタンと大きな音をたてて立ち上がり、不平を訴える。 「君はさっき承諾したであろう?」 「うぐ……ι」 「そういうわけで、ホークアイ中尉」 扉の方に向けてそう呼び掛けると『はい』っと言う声が聞こえて来てホークアイ中尉が、部屋に入ってくる。 「鋼のを、囮捜査に出す。 そのための準備を行ってくれ。」 「はい、わかりました。」 そう言うと、エドワードはホークアイに連れられて、部屋を出ていった。 「いくら捜査の為だからって…」 素早い動きで、赤いコートに黒い服だった男の姿からピンク色のワンピースという、 女の姿に変えられて、東方指令部の面々に「かわいい」だの「女の子に見える」だの、 色々言われて、エドワードは結構へこんでいた。 そんな状態のまま、エドワードは女の子が次々と誘拐されていったと思われる公園へ来ていた。 その周辺にはいつでもつかまえれるようにと、大佐率いる東方指令部の面々が待機している。 だからいつ襲われても良いのだ。 まぁ、当のエドワードは、誘拐されそうになったら腹いせに大暴れしてやろうと考えていた…。 その時だった、後ろから何かで、口元を覆われたのだ。 「ん!?」 エドワードはその腕を掴んだ。 「大人しくしな。さもないと、お前の可愛い面に傷が付くぜ?」 「うんんっ!!ふはっ、オレ様を誰だと思ってやがるっ!!」 口元を押さえていた腕を掴み上げる、そして、そのまま投げ飛ばしてしまう。 「ぐはっ…」 男は何mか先に背中から落ちて潰された蛙のような声を出した。 エドワードは男の側まで素早く移動した。 「さぁ、今まで誘拐した女の子達の居場所を教えてもらおうか?」 床にへばりついた男を見下ろしながら言うと、その男はフッと笑った。 「何笑ってやがっ!?」 ガキーンッ! そう言った瞬間に大きな音とともに右肩に衝撃が走った。 東方指令部で着せられたピンク色のワンピースの右肩がすっぱりと切れてなかの機械鎧が見えている。 『犯人は二人いたってわけか…』 頭のなかで、冷静に判断するよりも早く身体行動していた。 うしろから襲って来た男の手に持っているナイフを蹴り落とし、そのナイフを届かない遠くまで蹴り飛ばしてしまう。 「くそう…」と悔しそうにする二人の男が無鉄砲にもエドワードに襲い掛かるが呆気無くかわされる。 そして、パンッと音をたてて両手をあわせ、その手を地面につけると、青い光りと共に、地面が変型して二人の男を襲う。 「「うわぁぁっ!!」」 地面は二人の男を捕らえる鳥かごになった。 「さぁ、居場所を吐いてもらおうか?」 にっこりと笑ってはいるが、かなり御立腹の様子に、犯人達も「参った…」っと言うように全てを話した。 「鋼のっ!」 「大佐。おせーぞ。」 エドワードの真ん前に、ボロボロになって縛り上げられている犯人達を見て、 一部の東方指令部の面々は唖然とエドワードを見つめた。 「女の子達は、隣の町の倉庫に監禁されてるらしいぜ。」 「ふむ。じゃ、早速向かってもらうとするよ。 すまないね、鋼の。」 ポンポンと、通りすがりに頭を叩かれる。 ムっとエドワードはしたが、真剣な顔で、部下達に指示している大佐の姿を見ると怒鳴る気も失せてしまった。 「あっ、鋼の。」 「なんだよ?」 「よく似合ってるじゃないか。そのピンクのワンピース。 今度その姿で食事でもいかないかい?」 ニヤリと笑われる。 「っ〜〜〜……このやろ!! ぶっ殺すっ!!!!」 エドワードの声がイーストシティ中に響き渡った。 そのご、大佐の死が新聞に載ったとか、載ってないとか………。 |